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味の素株式会社様
味の素㈱のD2Cを支えた、ZIPの「IT実装力」と「現場力」

2026.03.05
ロジスティクスダイレクトマーケティング
味の素株式会社様

商材拡大・コスト高騰・システム統合…激動の10年を共に乗り越えたパートナーシップ

味の素株式会社様

酒巻 将司 様(左)
味の素株式会社 食品事業本部 マーケティングデザインセンター D2C事業部 事業企画・管理グループ シニアマネージャー

出雲 雅子 様(右)
味の素株式会社 コーポレート本部 DX推進部 先進ITグループ兼食品事業本部マーケティングデザインセンターD2C事業部 事業企画・管理グループ

※~2025年9月 食品事業本部マーケティングデザインセンターD2C事業部 事業企画・管理グループ  ZIP様立ち上げからロジスティクスを担当
味の素株式会社のD2C事業は、主力サプリメント「グリナ®」をメインとした商品販売から始まり、現在は食品、化粧品(香粧品)へと商材を拡大し、顧客層も50代以上を中心に広がり続けています。この10年間は、単なる成長の歴史ではなく、配送費の高騰、商材の多角化、そして大規模なシステム統合など、物流現場にとっては「激動」の連続でした。なぜ味の素㈱は10年以上もの間、物流パートナーとしてZIPを選び続けているのか。前ロジスティクス担当、現システム担当の出雲様と、バックエンド統括の酒巻様に、その裏側にある「システム対応力」と「現場の絆」について語っていただきました。

1.「サプリメント一本」から「多品種・複雑化」への転換点

──ZIP社との取引開始から10年以上が経過していますが、当初と現在では事業環境は異なりますか?
味の素株式会社様

出雲様:はい、大きく異なります。当初は「グリナ®」を中心としたサプリメントの単品リピート通販が主力で、オペレーションもシンプルでした。しかし、事業統合により「香粧品」の取り扱いが始まり、そこに高付加価値な「食品」も加わりました。サプリメントと違い、食品は包装形態が異なり、賞味期限も短いものが多いため需給管理が難しく、化粧品はシュリンクが破れないよう梱包する必要があり、定温管理も必要とします。このように、商材ごとに異なる「品質基準」と「封入ルール」が混在するようになったことで、物流オペレーションの難易度は上がりました。


コスト面での課題も深刻でした。配送費の値上げを受け、リスク分散と配送効率化のため宅配便配送できる倉庫を東西2拠点に増やしましたが、今後も更なる値上げが想定されるため、コストの高い「宅配便」から、ポスト投函可能な「ゆうパケット」のサイズに合わせ商品を改訂しました。結果、宅配便配送を大幅に削減することができたので、1拠点に戻し、2拠点運用における課題だった「東西の商品ロット管理の難しさ」や「ダブルでかかっていた固定費」の問題もクリアすることができました。このようにこの10年は試行錯誤の連続で、そのたびに物流現場の皆様には大きな負担をかけてきたと思います。

──特に大きな「困りごと」はどこにありましたか?

出雲様:2拠点化をする場合、本来であれば味の素㈱側の基幹システムを改修し、東日本用と西日本用に分割した出荷データをそれぞれの倉庫へ送る必要があります。しかし、これには改修期間も費用もかかります。

また「『クノール®贅沢野菜®』北海道スイートコーン 今夏採れたてヌーヴォーコーン」のような期間限定商品は、わずか1〜2ヶ月の間に数万件近い出荷が集中しますし、食品をメインにしたキャンペーンなども開始日から数日は注文が増加する傾向にあります。基本、出荷データは当日中に全量完了させる前提の運用となっていますが、出荷キャパシティを超えた場合、当日出荷できる量に合わせ出荷データを再作成する必要があり、その間、現場が待機してしまうといったロスが起きていました。


2.ZIPが開発した機能

──課題に対し、ZIP社はどのような解決策を提示したのでしょうか?

出雲様:2拠点化の際、「東西のデータ分割はZIPで出来るのでご安心ください」と言われ、大変助かりました。私たちがいつも通りのデータを送るだけで、ZIPさん側で「エリア」や「商品形状」を判別し、自動的に最適な倉庫へ振り分け、さらに出荷完了後は東西分をまとめて1つの出荷実績ファイルにして戻していただくというシステムを開発してくれたのです。これにより、私たちはシステム投資を最小限に抑え、スムーズに戦略を実行できました。

──出荷集中によるキャパオーバーの問題はどう解決しましたか?

出雲様:これもZIPさんが「繰り越し機能」を開発してくれました。1日の出荷限界を超えた注文データが来た際、あらかじめ設定したロジックに従って、自動的に翌日以降の出荷データへと割り振る機能です。これにより、私たちがデータを再作成する手間がなくなり、現場もスムーズに作業に着手できるようになりました。
もう一つのZIPさんの強みは、システム面だけでなく設備面の専門部隊も社内に抱えていることですね。例えば「ピロー包装機」の設定変更や「POD(オンデマンド印刷)」による帳票の出力条件変更なども、メーカーや外部業者を呼ばずにZIPさん社内で完結できる。データ連携のロジック変更から、物理的な梱包ラインの調整まで一気通貫で対応できるからこそ、「明日からこうしたい」という私たちの急な要望にも即座に対応していただけるのだと思います。

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3.トラブル時に見せた「強い意志」と「対応力」

──システム面だけでなく、現場の対応力についてはいかがですか?

出雲様:忘れられないエピソードがあります。2017年に化粧品通販事業を統合した際のことです。システム切り替えの初日に大規模なシステムトラブルが発生し、ZIPさんに出荷データを送信できたのが当日の昼過ぎになってしまいました。通常なら「今日の出荷は無理です」と断られても仕方ない状況です。 しかし、ZIPさんは「絶対にお客様に届ける」という強い意志を持って、急遽その場で残業できるメンバーを募っていただき、残った梱包作業を開始。さらに配送業者にも交渉して集荷時間を遅らせてもらい、何とか当日出荷を完遂してくださいました。 あの日の光景は今でも鮮明に覚えています。夕食をとる時間もなく、営業の管理職の方々が大量のおにぎりやサンドイッチなどをコンビニまで買い出しに行ってくださったんです。それを会議室で現場の皆さんと一緒に食べた後、引き続き夜遅くまで対応してくださいました。「委託先」という垣根を超え、まさに戦友として一緒に戦ってくださった瞬間でした。

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──コスト高騰の局面ではどのような提案がありましたか?

酒巻様:物流業界全体での値上げ要請があった際も、ZIPさんは単に「値上げさせてください」とは言いませんでした。「単価は上がりますが、オペレーションをこう変えれば一部のコストを抑制できます」という、BPR(業務改革)とセットでご提案いただいたんです。単なる業者ではなく、弊社の事業を考慮いただき同じ目標を持つ「パートナー」として見てくれていると感じた瞬間です。

4.「品質」への信頼

──ZIP社の現場をご覧になって、他社との違いや驚きを感じた点はありましたか?
味の素株式会社様
様:私が驚いたのは、毎月の定例会議の質の高さです。通常、こうした会議では「持ち帰って確認します」というやり取りが発生しがちですが、ZIPさんの場合は営業・現場・システムのご担当者が全員参加し、大半はその場で即決・即答してくれるのです。部署間の壁がなく、全員が「どうすれば実現できるか」を前向きに議論してくれる。このスピード感とチームワークこそが、私たちが全幅の信頼を置く理由です。
また、製品の検品についても信頼を置いています。各製品は工場からZIPさんへ入庫するのですが、稀に配送時に汚れや凹みが生じてしまうことがあります。ZIPさんの現場スタッフは私たちの品質基準を理解してくれているため、製品発送時に個装単位で1つずつチェックしていただいています。おかげでお客様に綺麗な製品をお届けする事が叶っており、ありがたい限りです。

──導入後の成果について教えてください。
出雲様:これだけ商材が増え、オペレーションが複雑化しているにも関わらず、ZIP社による誤出荷は10年間で「ほぼゼロ」という高い水準を維持しています。これは素晴らしい数字だと思います。

5.「攻めの物流」で次の10年へ

──今後、ZIP社と共に取り組みたいことは何ですか?

酒巻様:環境配慮(CO2削減)に向けた梱包箱の最適化や、さらなる事業拡大を見据えた梱包や配送スピードの向上です。また、先ほどの「『クノール®贅沢野菜®』北海道スイートコーン 今夏採れたてヌーヴォーコーン」のような、爆発的なご注文をいただく期間限定商品については、今後の拡大を目指して「その時期だけの2拠点化」などの柔軟なパズルを組み合わせた「攻めの物流」を共に検討していきたいと考えています。

出雲様:現在、通販基盤システムの大規模な刷新を進めています。ここでもZIPさんには、在庫連携やトレーサビリティの面で深く関わっていただいています。システムという「仕組み」と、現場という「人間力」。この両輪が揃っているZIPさんだからこそ、これからの激動の時代も共に乗り越えていけると信じています。

──ありがとうございました。

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【企業プロフィール】
味の素株式会社

「Eat Well,Live Well.」をコーポレートスローガンに掲げる、食品事業とバイオ&ファインケミカル事業を展開する日本を代表する企業。D2C事業部では、サプリメント、食品、化粧品など、生活者のウェルネスに貢献する多様な製品を直接販売している。